雨上がりの六本木。
都会の中央、けたたましい程の蝉時雨が鳴り響いている。
いや、泣き叫んでいる。
7年間、地中にて溜め込んだ“熱”を、「これでもか!」と言わんばかりの勢いで、泣き叫んでいる。
その潔い響きは、長渕がこれから挑む“詩画”という名の己との戦いを応援する歓声のようにも、はたまた「お前が溜め込んだ“熱”とやらを、俺達に見せてみろよ」と、挑発しているようにも聞こえる。
本番を前に颯爽と会場入りした長渕。
その足で、会場に飛び出すと、アリーナに広げられた巨大な書道紙を見ると、ひと言。
「小さいな」
常に自分にとって難題な挑戦を掲げ、それを難なく乗り越えてきた長渕。
その内面に溜め込まれた濃密な“熱”は、既に6m×4mのキャンバスでは、溢れこぼれてしまう程なのだ。
慌ただしく動き出すスタッフ。
会場には急遽、7m×4mのさらに巨大な書道紙が用意され始めた。
時を同じくして、スタッフの誘導のもと、会場に観客が入場し始める。
蝉に負けじと鳴り響く、拡声機の音。
観客の向かい側では、テレビ局のカメラもセッティングを始めている。
その数10数台。
これから起こる壮絶な光景を収めようと、透明なレンズは書道紙に反射し、鋭く光っている。
書道紙の周り、丸く囲った柵に沿うように、人の輪が徐々に広がっていく。
時を重ね、太さを増していく樹木の年輪のように、放射状に幾重にも連なっていく。
その輪の中、先日行われた鹿児島での詩画パフォーマンスで見かけたファンも、その時を今か今かと待ちわびている。
当初よりさらに大きくなった書道紙が、集まった観客の眼前に広げられていく。
「でけぇ!」と声を上げる者、眼を見開いて驚く者。
その白い平面を目の当たりにした観客の表情が変わる。
好奇心から大きな期待へと、何ともいえない表情へと変わっていく。 |

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スタート時刻、17時の時報に合わせて、巨大なビジョンに突如、「蝉 semi」のPVが流れ始める。沸き起こる歓声と手拍子。
会場の裏手の庭園では、蝉が「チキショウ」とコーラスを添えている。
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そして、ライヴさながらの拳上げの中、長きに渡って長渕のライヴを支えてきた三浦“peter”浩が登場。
鹿児島の詩画パフォーマンスに続く名調子で、会場を盛り上げる。 |
「皆さん! 蝉は何と泣きますか?」
「チキショウ!」
なんとも愉快なコール&レスポンス!
さらには、DJの古川恵実子さんまでもが、このコール&レスポンスを引き継ぐ。
「皆さ〜ん! 蝉は何と泣きますか〜?」
「チキショウ〜!」
会場の熱気は一気に最高潮へ!!
「それでは、花の都大東京、ここ六本木ヒルズに登場です。長渕剛さんです!!」
大歓声の中、会場に飛び出していくも、そこは長渕。
ステージなど上がるわけもなく、マイク片手に拳を振り上げ、観客を煽りに煽る!!
長渕と握手した女性ファンが、呆然として早くも泣き始めている。
「せっかく来てくれたから、ハーモニカあげるよ!」
眼の覚めるようなフレーズを即興で奏でると、次々と観客に向けて、ハーモニカを投げ込んでいく。
掴み損ねたハーモニカが、頭上を跳ね回る異様な光景。
会場は早くも興奮の坩堝を化している。
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アルバム「フレンズ」に関して、収録曲に関して、詩画に関して、鹿児島で行った詩画パフォーマンスに関して…。
古川さんのひと言、長渕のひと言に、その都度歓声が上がる異様な盛り上がりの中、収録は進んでいく。 |
さらに、アルバムから収録曲を紹介するシーンでは、曲に合わせて大きく手拍子するファンに触発され、「座ってなんかいられねぇな!」と突如立ち上がり、マイクを握り歌い始める一幕も。
CDに収録された自らの歌声と、都会・六本木のストリートに集結した、3,000人を超えるファンという最高のコーラスに合わせて、まさに即興の野外ライヴが繰り広げられ、トークの収録が終了した。
※収録の模様は、8月10日(月)・11日(火)に放送される番組をお聞きください。

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